京都桂病院 外科

外科に興味をお持ちの医学生、研修医、そして外科専攻医に向けて、外科の魅力と当科の日常を発信しています。見学大歓迎、仲間を随時募集中!お気軽にご連絡ください。

患者さんは患者さんという職業ではない

今回も京都大学からの臨床実習(ポリクリ)生の風景です。定番の糸結び練習を定評のあるYouTube動画も同時に見せてイメージを補強しながら行ってみたところ、明らかに習得が早い!!すぐにsquare knot、granny knotを理解してそれを意識しながら結び方を選択していました。また、たまたま2人組の片方の到着が遅れていたため、先に来た学生さんのみに直接教えておいて、あとできた相手に説明しながら教えてもらうという「ピア・コーチング(屋根瓦方式)」を試すと、むしろ教えているほうの理解がより深まっていくようにみえるのが大変興味深い光景でした。

これまた定番のda Vinciシミュレーター体験は、専攻医や当科ローテ中の研修医たちも集まってきてお祭り状態に。K2-sPYeeDeトレイニーの置塩先生も的確に指導してくれています。写真で、順番待ちで画面を見つめる研修医の指がイメトレしてしまっているのにご注目ください。意欲満々の若者たちの熱いひとときでした。

さて、学生さんや研修医には

「医師は医師という職業だが患者さんは患者さんという職業ではない。いまは病気になって入院しているが本来は社会や家庭の中での役割をもっている人間である」

ということを常々教えます。どんな仕事や趣味をもっているのか、ときにはそんな話も聞いて心の片隅に留めておくと治療方針を提案する際の参考になることもあります。何より患者さんをひとりの人間としてとらえ接するのが肝要で、「全人的な医療」などと振りかぶるとおこがましいですが、同じベクトルの話だと考えています。

今回の学生さんたちは外科系志望ではありませんでしたが上記のほか手術への参加やCT読影の練習なども行って「すごく楽しくて2週間では短かったです!」と言ってもらえたのは、指導医冥利に尽きます。若者たちの未来に幸あれ!

Key.

YouTubeも参考に、相棒に糸結びを教えています。

不思議なことに、これで自分も上達するのです。

da Vinciシミュレーター祭り。
画面を見つめながら指が想像上のコントローラを握っています。